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こちらは、2019年以前の資料が詰まっています!貴重な資料が満載
2019.10.30大フォーラム実行委員会
「骨格提言」は、しょうがいしゃが地域で、社会で、暮らしていくために、絶対に実現して行かなければならないものです。
そのためには、しょうがいしゃのより強力なアピールが必要です。
毎年10月日比谷に結集する連帯の灯を消してはなりません。
私たち大フォーラム実行委員会は、こうした思いの人々が集まり結成されました。
☆次回実行委員会・会議兼懇親会のおしらせ
2020年1月18日(土)
17:30~22:00
宮坂区民センター3F中会議室
(世田谷線「宮の坂」駅すぐ)
「骨格提言」の完全実現を求める
10.30 大フォーラム
2019
日比谷野外大音楽堂
11時開場、12時から15時
終了後、厚生労働省前に移動して
アピール行動を行いました。
しせつやびょういんにすみたくない!
つくいやまゆりえんじけんをわすれない!!
ちいきでずーっとくらしていきたい!
2019年 10.30大フォーラム 登壇者のみなさま
★連帯アピール
① 日本障害者協議会==薗部英夫さん(JD副代表)
②病棟転換型居住系施設について考える会==田中直樹さん(特定非営利活動法人全国精神障害者地域生活支援協議会 副代表)
② 介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット・・・共同代表 藤岡毅さん(弁護士)
③ 基本合意の完全実現をめざす会==家平悟さん(違憲訴訟団元原告)
⑤ 反貧困ネットワーク・・・代表世話人 宇都宮健児さん(弁護士)
⑥福祉労働者==林武文さん(ゆにおん同愛会)
⑦国会議員の方々
★リレートーク
①優生政策について==藤原久美子さん(DPI女性障害者ネットワーク)
②旧優生保護法被害者・東京訴訟原告 北三郎さん
④ 出生前診断の拡大を憂える==見形信子さん(神経筋疾患ネットワーク)
⑤ 公立福生病院透析中止事件について==有馬秀雄さん(透析を受ける当事者)
⑦ ピープルファーストジャパン
⑧ 息子を通して気づいた津久井やまゆり園の実態==平野泰史さん(津久井やまゆり園元利用者父)
⑧生活保護費引き下げに反対する==小田島栄一さん(ピープルファーストジャパン副会長)
⑨インクルーシブ教育について==川端舞さん(東京インクルーシブ教育プロジェクト)
⑩障害年金・所得補償について==西田えみ子さん(1型糖尿病障害年金裁判原告)、篠原美恵子さん(筋痛性脳脊髄炎の会理事長)
⑪ 年金の問題を放置した責任を問う==李幸宏さん(年金制度の国籍条項を完全撤廃させる全国連絡会代表)
⑫重度訪問介護65歳問題==天海正克さん(訴訟原告)
⑬ 介護保障問題==三井絹子さん(全国公的介護保障要求者組合)
⑭日本の精神保健医療福祉の現状と課題==成田茂さん(群馬 障害者自立生活センターほっとたいむ)
⑮ 木村英子さん(参議院議員) 決意表明
◇2019大フォーラムよびかけ文
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム
ー10月30日、日比谷野外音楽堂にお集まりください
「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(「骨格提言」)とは、
しょうがいしゃが他の市民とともに、地域社会で暮らしていくために行うべき政策をまとめたものです。政府は、「骨格提言」の「段階的実施を行う」と答弁していますが、入所施設や精神科病院からの地域生活への移行、地元の学校でともに学ぶ教育、などは進んでいません。特別支援学校に通わされる子供たちは増え続け、入所施設さえ増やされているのが現状です。精神科病院においては、50年以上入院させられている人が1773人もいることが昨年報道されました。
また、しょうがいしゃの制度を介護保険制度に吸収し、大きく後退させることも狙われています。生活扶助費の削減が続き、障害年金の打ち切りや削減の問題も深刻です。
津久井やまゆり園事件から3年経ちましたが、福祉職員による虐待や殺害は後を絶ちません。
医療機関においては、政府の政策により、緩和ケア病棟に30日以上入院できないシステムが作られるなど、いのちの切り捨てが進んでいます。公立福生病院において透析患者に死の選択が提示され、透析再会の意思を無視して死なせる事態が明るみに出ましたが、日本透析学会は、このような死の選択提示をガイドラインに盛り込もうとしています。
私たちはこの1年、様々な分野で活動を続けてきました。65歳での介護保険強制適用を阻止して、しょうがいしゃの制度による介助保障を受け続ける仲間を増やしてきました。
そして、7月の参議院選挙では、私たちの仲間である木村英子さんが当選しました
。「しょうがいしゃの制度の介護保険統合反対」、「インクルーシブ教育の実現」などを掲げての勝利です。そして今、介助を受け続けながら議員活動や就労、社会参加を実現すべきという課題を広く社会に提起しました。
今年の10月30日の大フォーラムで、さらに大きな1歩を踏み出したいと思います。
全国からのご参加をお願いします。
日時:10月30日、午前11時開場、12時開始、15時日比谷公園から厚生労働省前へ。
◆2019.10.30大フォーラム
採択された集会アピール文
支援を受けながら自立した生活をし、やりたいことができる。 これは、多くの人の夢ですが、障害をもつとその夢が叶えられないことが多いです。またそれが叶っ た人の場合、足元を見ると、今いるところは細い網の上であり、その網から少しでも外すと、幸せが水の ように一瞬でこぼれ落ち、今の生活ができなくなります。
いつ介助者がいなくなるか、いつ周りの状況で施設に行かされるか分からない。まさに一瞬先は闇な のです。
この綱、社会福祉は本来、太くて多くの人が使えるはずなのにもかかわらず、近年細くて弱いものに なっています。普通にできて当然の自立した生活を、障害者は必死に獲得し維持しなければならない。 そんな社会、非常におかしいと思います。 本日の連帯アピールやリレートークで述べられたことは、そのことを言い表していました。出生前診府 は広がり続けており、「障害があるかもしれない」と判定されたひとの9割が中絶手術を受けています。 1970年代にあった「不幸な子どもの生まれない運動」や、それを擁護する発言が挙がっている事実をみ ると、国による出生前診断の推進は強く反対しなければなりません。
本人が必要と言っているのにもかかわらず、支援が受けられない、支援を切られることが各地で起き ています。介護保険優先問題をはじめ、生活に欠かせない介護の時間数を区市町村が認めてくれない。 法令上はオッケーなはずなのに、入院中は介助に制限がかかる。1型糖尿病障害年金訴訟では、昏睡状 態が多々起きるのにもかかわらず、何の基準もなしに一方的に年金を支給しない国の姿勢を問うていま
す。
旧優生保護法のもとで強制不妊手術をされた人が、相次いで裁判を起こしています。旧優生保護法は 1996年に廃止されましたが、廃止以降も入所施設で不妊手術をさせられるなど、障害者が子どもを育て ることへの有形無形の批判は今でもあります。
障害をもって生まれることは不幸なことなのでしょうか。私たちは未だに、“あってはならない存在" ですか。政府が「健康寿命」などという言葉を平然と使い、透析や胃ろう、人工呼吸器などを使って生 きることを否定する風潮がますます強まっていることに強い危機感を感じざるをえません。
政府は、福祉支援の縦割りを解消するという美名のもと「我がごと丸ごと政策」を断行しています。 この政策は、子ども・障害者・高齢者を一つにして、ボランティアの力をつかって支援するということ ですが、公的責任をへらし、自助・共助を頼り、手のかかるものや厄介者を一カ所にあつめる政策で、 将来的に介護保険に統合しようとしています。ボランティアの力は大切ですが、生活を保障するという 観点から公助は初めにくるべきです。
日本には幸いなことに、骨格提言があります。骨格提言、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉 部会の提言」は2011年8月に、障害当事者と関係者55名がまとめたもので、人を線引きしない福祉施 策をもとめています。この文章では、障害者の自立した生活を必然なこととして捉え、公助として支援 すると言っています。“必死に死守するもの”から“あたりまえ”。その行程が書かれているのです。
日本の現政権は、骨格提言を過去のものとし、同提言とは真逆の政策をとっています。しかし今年、 一縷の光がさしました。今年の参議院議員選挙における、3名の国会議員が誕生です。彼らは障害者の 社会参加、それの前提となる人として生活する権利を強く訴え、それらに制限をかける法制や慣行を変 えようとしています。その実現には、全国各地で私たちひとり一人が声を出し、彼らのやろうとするこ とが喫緊の課題なのだということを社会に示す必要があるのです。
わたしたちは負けません。「9条を守れ」という旗を強く振り、骨格提言を片手にもって、これをどの ように実現していくかを強く訴え、提案し続けます。そして、全国の障害者の仲間、高齢者、介助労働
者、市民とともに闘います
2019年10月30日(水)
「骨格提言」の完全実現を求める 10.30 大フォーラム参加者一同
☆1月7日午前、実行委員6名介助者1名の計7名で、総理主催「桜を見る会」招待者名簿シュレッダー廃棄問題にかかる内閣府の発言に対し、しょうがいしゃや障害者雇用などについての質問と要請の文書を内閣府に提出し、しょうがいしゃをかろんじるその姿勢への抗議のシュプレヒコールをおこなってきました。
◇質問と要請◇
内閣総理大臣 安倍 晋三殿
2020年1月7日
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
連絡先
〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺1-32-21スマイルホーム豪徳寺1階 自立生活センターHAND世田谷気付 大フォーラム事務局
電話03-5450-2861
私たちは、障害者権利条約(以下、権利条約)の具現化のため、2011年8月にしょうがいしゃの代表も関わって作られた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」の完全実現を求めて行動しています。
2019年4月13日に行われた「桜を見る会」の招待者名簿について、同年4月22日に廃棄の指示をメールで送り、5月9日にシュレッダーで廃棄した、と内閣府は説明されています。4月22日に指示したことが5月9日の作業となったことについて、「空き状況や、短時間勤務で障害者雇用の担当職員の勤務時間等を調整した結果だ」と説明しています。
私たちは、こうした説明に「短時間勤務で障害者雇用の担当職員」が引き合いに出されたことについて、強い違和感と不快感を感じました。
しょうがいしゃの雇用率の水増しの次には、このような形で引き合いに出すのか、というのが率直な思いです。
内閣府のしょうがいしゃに対する姿勢を改めて問いただしたいと思っております。
内閣府のホームページには、「内閣府は、障害者施策に関する企画・立案や総合調整を担う官庁として、施策全体の基本的な計画等を定めるとともに、関係省庁及び地方公共団体などと連携し様々な施策を実施しています。」と記載されています。にもかかわらず、障害者雇用率の水増しをほかの官庁とともに行い、水増し発覚後においても、しょうがいしゃの雇用率が1.52%という外務省に続くワースト2という状態にあります。障害者雇用促進法の違法状態にあり続けているわけです。
こうした観点を踏まえ。以下の質問をいたしますので、お答えいただくよう要請します。
(1)「桜を見る会」名簿のシュレッダーによる廃棄問題について
①短時間勤務の職員は、すべてしょうがいしゃなのですか?
②内閣府は、しょうがいしゃとして雇用した職員に対して、このようなシュレッダー作業を主要に行わせているのですか?
③短時間勤務とは、週20時間から30時間の勤務のことを指していると思われます。そうすると、4月22日から5月9日まで、18日間ほどかかっていることになりますが、このことをどう説明されますか?
(2)内閣府のしょうがいしゃ雇用について、以下質問します。
①上述の内閣府という官庁の役割からして、障害者雇用率を水増しし、いまだに、大幅に雇用率未達成な状態について、どのように考えておられるのか、お答えください。
②内閣府では、雇用したしょうがいしゃの職員に対して、どのような勤務をさせているのでしょうか?
③雇用率水増し問題が発覚した以後に行われた採用試験で、内閣府に就職したしょうがいしゃのうち、すでに退職したひとはいらっしゃいますか?もし、そのような方がいらっしゃったら、退職した原因について、お答えください。
④内閣府は、しょうがいしゃの雇用率を達成するために、どのような方策を進めているのか、明らかにしてください。
(3)「桜を見る会」で、1日に5500万円もの税金を使い、飲み食いしている有様を知るとき、生活保護や最低賃金ギリギリかそれ以下の所得で生活している者の多い私たちは、強い衝撃を受けます。社会保障予算の削減を語る政府が何をしているのか、との怒りを禁じえません。
「功労があった人の表彰」と言いながら、税金を使って誰を表彰しているのか市民に知らせない、ということにも、強い憤りを感じます。
「桜を見る会」について、以下の質問にお答えください。
①「桜を見る会」の招待者を含めた実態を、市民に明らかにしてください。
②このような会を、開く必要はない、と私たちは思いますが、内閣府の見解を示してください。
以上の問題に関するご見解を、1月以内に文書でお答えください。
☆津久井やまゆり園事件の裁判の日程です。
場所は全て横浜地方裁判所です。
http://www.courts.go.jp/yokohama/saibanin/kaiteikijitsu/index.html
建造物侵入,殺人,殺人未遂,逮捕致傷,逮捕,銃砲刀剣類所持等取締法違反(事件番号平成29年(わ)第212号)
期日等 開廷時刻 公判回数等 開廷場所 備考
令和2年1月8日(水) 午前11時00分 第1回 101号法廷
令和2年1月10日(金) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月15日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月16日(木) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月17日(金) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月20日(月) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月21日(火) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月22日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月23日(木) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月24日(金) 午前10時30分 101号法廷
令和2年1月27日(月) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月4日(火) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月5日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月6日(木) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月7日(金) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月10日(月) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月12日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月13日(木) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月17日(月) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月19日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月20日(木) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月25日(火) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月26日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年2月27日(木) 午前10時30分 101号法廷
令和2年3月4日(水) 午前10時30分 101号法廷
令和2年3月16日(月) 午後1時30分 101号法廷 判決宣告
令和2年3月23日(月) 午後1時30分 101号法廷 判決宣告・予備
★昨年7月30日に、大フォーラム実行委員会のメンバー3名が、以下の要請書を持って、厚生労働省、厚生労働省記者会、参議院の議員運営委員会の方々の事務所、そして、国会の記者クラブなどに行ってきました。
2019年7月30日
要請書
厚生労働大臣 根本 匠殿
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
<連絡先>
世田谷区豪徳寺1-32-21 スマイルホーム豪徳寺1F
TEL:03-5450-2861
FAX:03-5450-2862
Mail: hands@sh.rim.or.jp
◇公的介助を受けながらの議員活動を認めてください
7月21日の参議院選挙で当選した舩後(ふなご)靖彦氏と木村英子氏は、24時間の介助が必要な方々です。この方々に対して厚生労働省は、国会議員になった場合には介助保障を行わない趣旨の発言をおこなっています。
舩後さんと木村さんにとって、介助は、衣食住と同じように、生きていくために不可欠なものです。この介助を奪うことは、こうした人々の議員活動、人間としての活動を否定するものです。断じて容認できません。
とりわけ、国会議員は、その24時間が活動です。この活動のためには、いのちをつなぐことが当然不可欠です。厚労省は、仕事中に受ける介助は、全額自分か雇用主の負担と述べていますが、これは厚労省自身の運用によるものであって、障害者総合支援法で規定されているものではありません。厚労省は、このような運用を直ちに改めるべきです。しょうがいしゃの社会参加のためには、介助は不可欠です。社会参加には、働くこと、議員になることも当然含まれます。
障害者権利条約第二十九条では、しょうがいしゃが「政治的及び公的活動に効果的かつ完全に参加することができる」保障、「あらゆる公務を遂行する権利を保護すること」を国に義務付けています。
舩後さん、木村さんに対する介助保障を、厚労省は認めるべきです。そして、社会参加にとって、必要な介助を認めるべきです。
以上
日本維新の会代表の差別発言に抗議します
日本維新の会代表 松井一郎 殿
2019年8月5日
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
東京都世田谷区豪徳寺1-32-21スマイルホーム豪徳寺1F
電話:03-5450-2861 FAX:03-5450-2862
7月30日に私達の仲間である木村英子さんとれいわ新選組のALS患者である舩後靖彦さんに対して、日本維新の会からいわれのない非難が投げかけられました。どんなに重度の障害があっても社会に出て働けるように制度を改めてほしいというお二人の求めに対して、社会参加は自己責任で行なえとこれを真っ向から否定しています。それを記者会見やSNSを通じて意図的に拡散させており、障害者への差別と社会からの排除を扇動する差別犯罪行為です。日本維新の会の代表および大阪市長、大阪府知事という公的な要職にある人間が行なった差別扇動行為であり、社会的に絶対に許されるものではありません。私達は強く抗議し、松井氏と吉村氏の謝罪と撤回を求めます。
いわれのない非難とは下記の共同通信の記事がそれです。その後もツイッター上などで同様の発言が繰り返されています。発言は以下の通り。
維新代表、介助費「自己負担で」 初当選のれいわ議員に
2019年7月30日 19時23分 共同通信
日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は30日、参院選でれいわ新選組から初当選した木村英子氏(54)ら、重い障害のある議員2人の介助費用について「どなたにも適用できるよう制度全体を変えるならいいが、国会議員だからといって特別扱いするのは違う」と述べ、自己負担で賄うべきだとの考えを示した。市役所で語った。
松井氏は「国会議員は高額所得でスタッフも付く。政治家は個人事業主だから、事業主の責任で(費用支出に)対応すべきだ」と主張した。
松井一郎氏ツイート7月30日
参院が当面負担って、どういう事?参議院議員のポケットマネーなら特殊事情で対応も理解できるが、税金支出ならば、国会議員という職業の障がい者だけが、その他の就労中の障がい者の皆さんと比べて、公的支援優遇となります。立法府がその場しのぎで福祉施策ルールを変えるのはおかしいでしょ!
吉村洋文大阪府知事(日本維新の会)ツイート7月31日
参議院は国民の税金をなんだと思ってるんだ。打ち出の小槌か。国民に増税なのに定数も6増やすわ、参議院議員の重度障害者だけの特殊ルール作るわ、全部税金じゃないか。就労中の国民たる重度障害者のルール作った上で、それを参議院議員たる重度障害者に当てはめるのが筋でしょ。
<国会バリアフリー>介助制度ないと働けないのか 維新・松井代表が発言
2019年8月1日 朝刊東京新聞
重い障害のあるれいわ新選組の参院議員二人が、障害者が働いている間も介助を受けられるよう制度の見直しを求めていることを巡り、日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は三十一日、「介助制度がないと働けないのか。違うと思う。支援を受けずに働いている人もいる」と疑問を呈した。障害者団体は「問題を理解していない」と批判している。
松井氏は記者団の取材に、三月まで知事を務めた大阪府では「公的補助を受けずに電車通勤している全盲の職員もいた。危険だが、努力で克服していた」と話した。障害者の就労については「(介助の)公的補助がその人の収入の二倍、三倍になるなら、職業を持つこと以外で自立してもらう方が合理的ではないか」と述べ、補助の財源となる税負担と障害者の収入の「バランスを取るべきだ」と語った。
一方で、介助が通勤や勤務の際に受けられない現行制度を見直す場合は「国会議員も一般人も公平・平等にすべきだ」とも指摘した。
重度の障害があるNPO法人「日本障害者センター」の家平悟事務局長(48)は、松井氏の発言を「障害の状態によって必要な支援が異なることを理解していない」と強く批判。「制度を見直しても、家庭で使える介助サービスを職場でも使えるようにするだけ。財政負担が激増するわけではない」と反論した。
松井一郎氏ツイート8月1日
障がい者の皆さんの社会保障制度拡充の話と、年収2200万、年間経費1200万、秘書3名があてがわれる国会議員に重度の障がいのある方が選任された場合に一般の障がい者に適用されない優遇制度が必要なのか?障がい者政策とは別の話です。社会保障制度は所得の再分配によって成り立っている。
日本維新の会の認識は間違っています
日本維新の会の認識は、国会議員の重度障害者に対して一般の重度障害者には無い優遇をした参議院議運はおかしい。参議院議員の重度障害者に介助費用の税金を注ぎ込むのはおかしい。2人の重度障害者は介助費用を自己負担すべきだ。公的補助がその人の収入の二倍三倍になるなら働くべきではない、というものです。
まず、根本的に維新が障害者福祉を何も分かっていない問題です。2人の重度障害者は日常的に24時間介助を受けています。そうしないと命が保てないからです。それが国会議員になることによって通勤と仕事中は公的介助を利用できなくなるということが問題だったのです。今回の措置によりその間の介助が公的に保証されることになった訳です。だから、多少の変動はあるかもしれませんが、在宅で受けていた介助が国会でも受けられるようになったということなのです。吉村氏の主張するような、今までかからなかった介助費用が新たに大幅にかかる、税金が注がれるというのは、根本的な認識不足です。
一般の障害者と国会議員の重度障害者を対立させるような妄言について
木村さんも舩後さんも一切特別扱いを求めたことはありません。仕事中と通勤に公的介助が受けられないという厚労省の告示(※)を改めることが2人の一貫した要求です。それが叶わないということが明らかになった後でも、「制度を変えるために登院する」と決意を述べられています。一般の障害者にも適用できるように制度の壁に突破口が開かれたのです。
※厚労省告示523「重度訪問介護の中で居宅における入浴、排せつ又は食事の介護等及び外出(通勤、営業活動等の経済活動にかかわる外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く。以下この第2、第3及び第4において同じ。)時における移動中の介護を行った場合」
第2は、重度訪問介護であり、第3は、同行援護であり、第4は行動援護です。
国会議員特権だから自己負担すべきという主張について
国会議員の所得は議員活動に必要なお金なのでは無いのですか。もし贅沢な生活をするための特権であるというならば、維新の議員がまず「身を切る改革」で返上すべきだと思いますが、その様な例は聞いたことがありません。何故、重度障害者だと他の国会議員よりも大幅に活動費を少なくするのでしょうか。それこそ重大な差別ではないのでしょうか。
松井氏の言う大阪府職員の視覚障害者のこと
松井氏は自らが府知事をしていた時に、府職員の視覚障害者が危険な状態で出勤していることを認識しながら、合理的配慮をしなかったと自認しています。松井氏は木村さんふなごさんも危険な目に合えば良いと主張するのでしょうか。合理的配慮をしなかったことは障害者差別解消法に地方自治体の長として違反したことを証明するものです。自慢する話しにしてしまっていることは無知を自慢しているだけです。
障害は「自己責任」ではありません
障害は個人の中にあるものではなく、社会が作り出すものです。「障害を取り除く」ことは、個人が努力したり訓練したりすることではなく、社会が変わらねばなりません。障害者の自立とは介助を受けながら主体的に生きていくことです。就労も地域自立生活の選択肢の一つです。就労=自立ではありません。どんな重度の障害者であっても自由に社会に参加する地域自立生活が保障されなければなりません。働くこともその一形態として本人が望む時には保障されなかればなりません。重度障害者が地域自立生活をするのには特別な支援が必要なように、就労にも特別な支援が必要です。障害は社会的なものですから介助も公的に保障されなければなりません。維新の会の主張する「自己責任論」は根本的な差別思想です。
維新の会の主張は障害者差別です
維新の会は国会、または議員活動で「どのような職業であろうと就労中にも、重度訪問介護をはじめとする公的介助制度を適用せよ」と主張したことがあったでしょうか。松井氏、吉村氏の主張は、障害者総合支援法で障害者福祉の第一義的な責任を市町村に置いていることからすると、首長として全くふさわしくない不見識であり、資質の問われることです。そして大阪府、大阪市内で、もちろん日本全体や世界中にも、介助を受けつつ社会活動をしてきた障害者があり、その活動によって障害者の状況を改善してきたことの完全なる否定です。
障害者権利条約の第二条は、言葉の定義をしていますが、その中に次のような規定があります。
「『障害に基づく差別』とは、障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む。」
松井氏、吉村氏の言動は、まさにぴったり当てはまります。
維新の会が言いたいことは何なのでしょうか
維新の会の主張と「障害者福祉予算が善良なドイツ国民の肩にのしかかっている」という主張に類似点を感じることは、自然なことではないでしょうか。維新のツイートに対するリツイートは障害者に税金を使うなという様な劣情であふれています。維新の会がそのような扇動を行っているからです。言うまでもなく後者はナチスドイツの障害者30万人の大量虐殺である『T4作戦』のスローガンです。
また、2人の重度障害者国会議員の勝ち取った介助が「議員特権」であると言うような主張は、マイノリティーが勝ち取った諸権利を「在日特権」だと主張する在特会と何等かわるところがありません。
私達、『骨格提言』の完全実現を求める大フォーラム実行委員会は、重度障害者が生きる権利を拡大することに対立させる妄言を行なった、日本維新の会の松井一郎氏、吉村洋文氏の明確な謝罪と撤回を求めます。
(8月8日更新)
≪緊急声明≫
公立福生病院で起きているいのちの切り捨てに抗議します!
しょうがいしゃの命を奪う滑り坂の拡大を阻止しましょう!
2019年3月22日
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
私たちは、障害者権利条約(以下、権利条約)の具現化のため、2011年8月にしょうがいしゃの代表も関わって作られた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」の完全実現を求めて行動しています。
透析を受けている内部しょうがいの仲間をはじめ、しょうがいしゃは、日本国憲法第二十五条の生存権と共に、権利条約第十条の「生命に対する権利」があり、同条約十七条の「その心身がそのままの状態で尊重される権利」を有しています。
にも拘わらず、公立福生病院(以下、福生病院)は、透析の中止や不開始を患者に提示し、死に追いやっていることを報道で知りました。とりわけ、昨年8月16日に亡くなった女性への対応には、非常に強い衝撃を受け、怒りを感じます。
★事件の概要
毎日新聞をはじめとする報道を総合すると以下のような事件が福生病院で起きていました。
2018年8月16日午後5時過ぎに、透析の再開を希望していた44歳女性が死に追いやられました。この女性と夫は、前日から透析の再開を訴えていましたが、同病院の腎臓病総合医療センター(以下、同センター)のスタッフはこれを無視し、苦しむ女性に鎮静剤を注射するのみでした。
女性は、5年ほど透析を続けてきましたが、同月9日にシャントが使えなくなったため、かかりつけの診療所からこの地域の中核病院である同病院に運ばれました。その場で、担当の外科医は、首周辺に管を挿入して透析を続けるか、死に直結する透析の中止を提示し、女性は透析の中止を選択しました。クーリングオフもなく、夫も呼ばれた場で、女性は意思確認書にサインしたとのことです。
このことを知ったかかりつけの診療所は驚き、透析を再会するように女性を説得しました。女性は翌日、同病院に行き、同センターの内科医と話したうえで、そのまま自宅に帰りました。夫の証言によれば、女性の気持ちは揺れていた、とのことですが、14日になって、「息が苦しくて不安だ」と、福生病院に入院します。
そして、15日の夜、夫と女性は、担当の外科医に透析の再開を要請します。外科医も女性から数回にわたって聞いたと言っています。外科医は、「正気な時の(治療中止という女性の)固い意思に重きを置いた」として、この要請を無視して死に追いやったのでした。
夫はその手記で14日の入院について、「治療して生きて帰ってくる、そう思っていました。まさか『死ぬための入院』だなんて、誰が想像し得たでしょうか。」と記載しています。毎日新聞3月7日付けによれば、女性は、死の当日(16日)の午前7時50分の発信で「とうたすかかか」という7文字をスマホに残し、これは「父ちゃん助けて」という夫に向けたSOSだったのではないかと記されています。
同病院では、この女性を含む5人が透析中止を選択し、13年4月~17年3月、最初から透析治療をしない「非導入」で計20人が死亡していると報じられています。
●いのちの切り捨てを肯定する病院側
このような事実が報じられているにも関わらず、福生病院は、3月8日付の声明で「密室的環境で独断専行した事実はございません」とコメントし、反省の意思すら示していません。そこには、患者を死に追いやることについて、むしろそれを肯定する思考があるからだと考えられます。
この外科医は透析について、「無益で偏った延命措置」と発言して、透析患者を「終末期」と考えています。最長で50年近くも透析を続けている人がいるにも拘わらずです。
福生病院の松山医院長は、昨年8月16日に亡くなった女性のケースも含めて、同病院で行われている透析の中止や不開始を適正で倫理的だ、と述べます。そして、人工呼吸器や胃ろう、透析を挙げて医療費の観点も指摘しつつ「どういう状況下でも命を永らえることが倫理的に正しいのかを考えるきっかけにしてほしい」と語っています。いのちの切り捨てを推し進める立場であることは明白です。
★死への誘導は許されない
腎臓を患う患者にとって、透析治療が必要と診断された場合、ほとんどの患者が、人生に対する不安や絶望を感じてしまうでしょう。また、毎年贈られてくる医療費の通知も重圧となります。医療スタッフは、そのような患者に対して透析を受けながらの人生に希望が持てるように、励まし、支えて治療に当たることこそが求められます。
夫の手記によればこの女性は、「1999年ごろに抑うつ性神経症と診断され、治療を続けていました。その頃から精神的に不安定で、過去20年間で薬を大量に摂取し、自殺未遂を3回しています。」と記されており、死を選択するような提起をすること自体が許されません。
透析の導入あるいは実施そのものが患者の生命に危険をもたらす場合以外において、透析を導入しなかったり、それまで行ってきた透析を継続しないことは、患者を死へと誘導する行為であり絶対に容認できません。シャントを作るために病院を訪れる人は、生きようとしているのですから。
亡くなる前日に「こんなに苦しいのであれば、透析をまたしようかな」と言う女性に対して、この外科医は、「苦しいのが取れればいいの?」と聞き返し、「苦しいのが取れればいい」と言う女性に鎮静剤を注入したと報じられています(3月7日付毎日新聞)。これは、明らかに死に向かって誘導しているのです。殺人行為です。
★意思の選別は許されません
この外科医は、2018年8月9日に示された女性の意思を「正気な時の意思」とし、15日の透析再開を求めた意思を「正気でないときの意思」と切り捨てました。
このような意思の選別は、絶対に許されません。
このような選別がまかり通れば、重篤な患者の意思はもちろん、認知症、せいしんしょうがい、ちてきしょうがいとされた人たちの意思も無視されることになります。
このような人物が「透析治療を受けない権利を患者に認めるべきだ」と主張することについて、強い嫌悪感をもって糾弾します。自らの思考に合致する方向を権利とし、そうでない意思は無視して構わないとするこの態度を、断じて容認できません。
★「消極的安楽死」を推進する医師たちは、医療現場から去るべきです
上述の外科医や福生病院の委員長の発言は、透析にとどまらず、人工呼吸器、胃ろうなど、いのちの維持に医療を必要とする人たちを、生きるに値しないものと考えているから出てくる発言です。そして、こうした医療の不開始や中止を拡大して行こうとする意図があるが故の言動です。
このような医師たちは、すべての市民の命の安全のために、医療の現場から直ちに去るべきです。
★こうした医師たちの思考を助長しているのは、国や医学界の姿勢にあります
2007年に厚労省が医療の不開始・中止のためのガイドライン(「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン)を作成し、その後、日本透析学会をはじめいくつかの医学界より同様のガイドラインが発表されます。これらは、いずれも「消極的安楽死」を推進するものであって、今回の福生病院事件と同様の方向性をもっています。対象の限定や意思確認の在り方に違いがあったとしても、国や学会がそのような方向性を打ち出していれば、もっと強力にその方向を推し進めようとする人物たちが出てきてしまうことは避けられません。こうして、いのちを切り捨てる滑り坂が拡大してしまうのです。
これは、社会保障切り捨ての方向と出生前診断の拡大、「生きるに値しないいのち」があるかのような政治家をはじめとする人々の発言の中で、津久井やまゆり園事件が起こって行ったのと、同じ構造をもっていると考えます。
政府や学会は、「消極的安楽死」や優生政策を推し進める政策やキャンペーンを直ちにやめることを要請します。
旧優生保護法被害者に対して、国の責任を明らかにし、同法のもたらした事態に対する検証を求める声明
国会議員の皆様へ
旧優生保護法被害者に対して、国の責任を明らかにし、同法のもたらした事態に対する検証を求めます
2019 年 2月7日
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
私たちは、障害者権利条約(以下、権利条約)の具現化のため、2011年8月にしょうがいし
ゃの代表も関わって作られた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」の完全実現
を求めて行動しています。
権利条約においては、その第二十三条において、しょうがいしゃが生殖能力を保持し、結婚し、
家族を作る権利を有することを規定しています。優生保護法は、1948年、日本国憲法下で作ら
れ、1996年に廃止されました。権利条約が国連で採択される10年前のことでした。しかし、
この1996年の廃止の時にも、日本が権利条約を採択した2014年の時点においても、優生保
護法による被害を受けた人々を、国が顧みることはありませんでした。
私たちは、こうした被害者への国による謝罪、賠償を行うとともに、なぜ優生保護法を国会議員
の全員一致で可決してしまったのか、被害者はどのような人生を送ってきたのかなどの検証が不可
欠であると考えます。これらを実現する中で、権利条約の立場に、国が実際に立つことができるの
です。
昨年12月10日、旧優生保護法による被害者への謝罪と一時金支給の問題に取り組んでいる与
党ワーキングチームと超党派国会議員連盟は、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対
する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」をまとめ、今国会でこれに基づく法
律の成立を目指していると報じられています。
全国での被害者の提訴を受けたものとはいえ、こうした取り組みが行われることは、大きな前進
です。関係する議員の皆さんに、敬意を表します。しかし、この「基本方針案」の内容だけでは、
「過去の出来事にけりをつける」といったことに終わってしまわないのか、との懸念を抱くもので
す。
そこで、以下の内容を、法案に盛り込んでいただくよう要請します。
●優生保護法の成立とそれによってもたらされた被害について、検証を行うことを、盛り込んでく
ださい。
「基本方針案」には、「国としてこの問題に今後誠実に対応していく立場にあることを深く自覚」
するとあります。そうであるならば、被害者への一時金の支給にとどまらず、国としての検証を行
うべきではないでしょうか。
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ハンセン病政策において国が犯した過ちについては、2001年6月に、当時の坂口厚生労働大
臣が国会で検証を約束し、2005年3月に、1500ページを超える『ハンセン病問題に関する
検証会議 最終報告書』が作成され、さらに、「ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく
再発防止検討会」が現在に至るまで検証を深めています。こうした前例も踏まえれば、優生保護法
問題についても、検証を行うのは、当然でしょう。
検証の観点としては、次のようなことが重要です。
(1) 幸福追求権(第十三条)、生存権(第二十五条)、残虐な刑罰の禁止(第三十六条)などの
人権規定を有する憲法下で、なぜ、国会議員の全会一致で、優生保護法が成立してしまっ
たのか。
(2) 優生保護法に規定する不妊手術にとどまらず、放射線の照射、睾丸や子宮の摘出まで行わ
れてきました。このような健康に重大な被害を与える行為を、厚生省が認め続けたのは、
なぜか。
(3) こうした被害者がどのような人生を送ってきたか。
(4) 優生保護法廃止以後もしょうがいしゃには不妊手術や妊娠中絶が事実上強要されている
実態があります。こうした実態の調査とこれに対する国の姿勢を明確にすること。
●優生保護法が憲法違反の内容であったことを明確にしてください。
国権の最高機関である国会が、優生保護法の違憲性を明らかにすべきです。報道によれば、国賠
訴訟に影響させないために、憲法判断を行わない、などと言われています。しかし、優生保護法は、
国会が成立させたものであり、憲法との関係を明確にさせる責任は国会にあります。そうでなけれ
ば、謝罪も真摯なものとはなりえないでしょう。
ほかの問題では、憲法論議を活性化させよう、という国会議員の方々はいらっしゃいます。なの
にどうして、法律や政策による人権侵害に関しては、憲法の人権条項との関係について、議論しよ
うとされないのか理解できません。
●謝罪の主体を、国、としてください
謝罪を含む法案を採決するのは、国会議員の皆さんです。そこでは、国の責任を明確にすべきで
す。そうしてこそはじめて、真摯な謝罪となるはずです。
●優生目的で行われた人工妊娠中絶被害者も、この法案の対象としてください
旧優生保護法では、優生目的での人工妊娠中絶の実施が規定されています。本人の同意が建前と
して規定されていますが、例外規定もありました。周囲からの圧力の中で、同意させられた実態も
多かったことでしょう。
何よりも、同意があったとしても、「障害や疾病の有無によって分け隔てられ」た結果であり、
優生政策による被害者であることは明らかです。
●報道機関の協力を得て、周知の徹底を
「基本方針案」では、「一時金の支給に関する制度の周知」の方策の例が示されています。
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現代において、周知を徹底させるためには、報道機関に協力の要請をおこなうことが不可欠でし
ょう。
被害者への賠償は急務です。それと同時に、同じ過ちを犯さないために、優生保護法の罪を検証
することが必要です。
私たちしょうがいしゃは、現代社会でますます優生思想が強まっていると感じています。出生前
診断や着床前診断の拡大、「尊厳死・安楽死」の推進、「脳死判定」など、「生きるにあたいするい
のちとそうでないいのち」の選別が進んでいるからです。この風潮の中で、津久井やまゆり園事件
も起こってしまいました。
優生思想をなくしていくための国会議員の皆さんの努力を要請するものです。
【連絡先】
「骨格提言」の完全実現を求める
大フォーラム実行委員会事務局
〒154-0021
東京都世田谷区豪徳寺 1-32-21
スマイルホーム豪徳寺 1F
自立生活センターHANDS 世田谷気付
電話 03-5450-2861 FAX 03-5450-2862
Email hands@sh.rim.or.jp
担当 横山、菅原
Web サイト https://daiforamu1027.jimdo.com/
☆本の紹介です。
書評「消された精神障害者 「私宅監置」の闇を照らす犠牲者の眼差し」
髙見元博(兵庫県精神障害者連絡会代表)
「消された精神障害者」は精神しょうがい者問題に関心のある人、沖縄問題に関心の
ある人、差別を許さない全ての人に読んでもらいたい本です。2018年6月にNHKで放
送された同名の番組を制作したフリーTVディレクターが沖縄での精神しょうがい者
の私宅監置の状況を詳しく書いています。
沖縄では1972年5・15「返還」まで日本の明治時代からの私宅監置を義務化した法律
とその後の米軍政下での私宅監置を容認した法律が有効でした。判明しただけでも復
帰時に200人以上が自宅の庭などで小さな檻に監禁されていました。当時の沖縄の精
神しょうがい者の総数は8000人とされています。明治時代と同じように檻と鎖で繋が
れた一人一人に名前と物語がありました。それを分かる限りで丁寧にたどって行きま
す。名前と写真があるのがリアルです。檻の昔と今の写真もあります。本人は既に行
方不明だったり死亡したりしていて、直接本人に話を聞くことはできていません。周
辺取材ですが、理不尽な監禁を受けた一人一人の気持ちまで読み取れます。
監置小屋で現存するものが一つだけあるそうです。どこにあるのかは本島北部とだけ
書かれています。本では監禁される側に寄り添う立場が明確です。地域の差別感情と
家族の差別への加担、被害にあう精神しょうがい者の絶望が描かれて行きます。最
近、明治時代に私宅監置されていた精神しょうがい者を精神病院に収容し直した呉秀
三がもてはやされています。しかし私宅監置よりも精神科病院の方がましとどうして
言えるでしょうか。地域に戻すことを目的としない監禁という点では同じことです。
治療無き監禁であった私宅監置より、投薬もある精神科病院の方がましという人がい
るかもしれません。しかし私宅監置の家族的関係に対して冷たい支配―隷属関係であ
る精神科病院という比較も出来ます。
精神しょうがい者の全てが監禁されていた訳ではないようです。確認された200人よ
りは多く私宅監置されていたようです。しかし、当時の沖縄の精神しょうがい者総数
の8000人に比すると、多くの精神しょうがい者が地域に居たことになります。当時の
沖縄の精神科病床はごくわずかでした。精神科医療もありませんでした。地域の中で
「狂っている」精神しょうがい者はいたことが書かれています。どこが監禁の境目
だったのでしょうか。この本によれば「暴力」があると監禁されていたらしいです。
地域社会が監禁を要請する。だから家族が監禁するということだったらしいのです。
何か最近マスメディアで持ち上げられている蔭山正子の議論を思わせます。「大声を
上げる」のも暴力だと精神しょうがい者の「暴力性」を扇動し、「暴力精神しょうが
い者と困っている家族」という対立構造を自ら作ったうえで、統計とも言えないわず
か600件に満たない偏った家族会へのアンケートでもって「6割の家族が精神しょう
がい者の暴力にあっている」という「ショッキングな事実」を自作自演しています。
その結論は「地域医療の充実のためにコメディカル(医療従事者)に活躍の場を」と
いうものです。これは医療観察法のそれに似た「地域処遇」の全精神しょうがい者へ
の拡大(地域内・社会内保安処分)が必要だというものです。しょうがい者襲撃的な
差別扇動の書です。蔭山の目指す医療観察法的な地域処遇(社会内保安処分)に対す
る根底的な批判が必要だと思います。(『精神しょうがい者の家族への暴力というS
OS 家族・支援者のためのガイドブック』蔭山正子著二〇一六年一〇月三〇日明石
書店刊)
私宅監置の不衛生と早死にする精神しょうがい者が多かったことには因果関係がある
でしょう。監禁が非人間的であることは言うまでもありません。問題はそれに対置す
るものが非人間的な精神科病院への収容や医療観察法的な地域処遇の全面化(地域
内、社会内保安処分)であって良いのかということです。蔭山の議論のように家族と
精神しょうがい者という二項対立ではなく、共に目指すのは、監禁でも精神科病院で
も医療観察法的な地域処遇(社会内保安処分)でもない共生社会ではないでしょう
か。
(中略)
解説筆者の文章は、精神しょうがい者に対する「敵意と憎悪」ではない
視点で書かれています。また精神しょうがい者と暴力を結び付けて展開している点は間違ってい
ると思います。これはこの本の唯一と言っていい欠点だと思います。
「消された精神障害者」は共に考えるべき大きな問題を提起していると思います。
1972年まで続いた私宅監置は、呉秀三の言う『わが邦十何万の精神病者は実にこの病
を受けたるの不幸の他に、この邦に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし』に加
えて「沖縄に生まれたるの三重の不幸を重ねるもの」です。1952年4・28サンフラン
シスコ講和条約を許し、沖縄に対する差別的な分断のもとでの「高度経済成長」とい
う「繁栄」を謳歌してきた本土人民として、またペテン的な「返還」後も基地の島ゆ
えの犠牲を許し、いま辺野古新基地建設を阻止し得ていない本土人民としてこの「三
重の不幸」を直視することは、どうしても必要な行程だと思います。
原義和:編著、高橋年男:解説、高文研刊で1500円+税(=1620円)です。
(なお実行委員から購入いただくと1300円です。送料別300円。)
みなさま、どうもありがとうございます。
◇中央官公庁、自治体、裁判所、そして国会における障害者雇用枠改ざん事件に関する抗議声明
2018年9月20日
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
連絡先
〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺1-32-21 スマイルホーム豪徳寺1F
自立生活センターHANDS世田谷気付
TEL 03-5450-2861/FAX 03-5450-2862/E メール hands@sh.rim.or.jp
私たちは2011年に障がい者制度改革推進会議総合福祉部会がだした、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言
-新法の制定を目指して-」の完全実現を目指して毎年日比谷野音で大フォーラムを開いている団体です。
今回明らかにされた障害者雇用枠改ざん事件は42年間にも及ぶ慣例として継続されてきたものであり、中央官庁の改ざんによるものは公表された雇用率の約半数あることが明らかになりました。行政にとどまらず、裁判所も、国会も障害者雇用枠改ざんをしていることが暴露されています。
司法、立法、行政三権に深くある、障害者差別と排除の体質が明らかになったのです。
「共生社会」を掲げながら、実は障害者を共に働くものとしてはうけいれない、という許しがたい体質です。障害者を憎悪、嫌悪し排除する司法、立法、行政に抗議するとともに、徹底した調査と自己批判を求めます。
報道によると中央官庁ではこの問題についての第三者委員会を立ち上げるとのことですが、そこには一人も障害者団体の代表や障害者は参加していないとのことです。障害者排除について真摯に取り組もうとするならば、その検討の場から障害者を排除するなどということはありえません。障害者排除をさらに重ねる政府に対して強く抗議しその方針撤回を求めます。同時に「障害者雇用枠水増し」として現在雇用されている癌あるいは糖尿病などの手帳を持っていない方ほかについては、決して「雇用枠以外」という理由で解雇あるいは雇止めなどなされないよう強く要請します。
しかし今回の障害者雇用枠の問題はそもそも障害者雇用促進とは何かという根源的な問いかけをしています。問題点は以下
1 障害者雇用枠において障害者手帳を条件としていること
そもそも障害者雇用枠は障害者手帳を条件としていて、私たちが問題にしている難病等障害者手帳のないものを排除しています。今回明らかになった癌の患者ほか病人を雇用枠に入れたということ、これは制度的には改ざんではあります。しかし手帳を持たない障害者も、本来は障害者基本法2条の定義に基づき「障害及び社会的障壁により日常生活及び社会生活に相応の制限を受ける者」として障害者雇用促進の対象とされるべきであり、雇用枠の拡大は必須であること。
2 そもそも手帳制度の矛盾
骨格提言では手帳制度およびそのもとにある障害種別の福祉法に触れることができなかったが、手帳の認定自体が医学モデル個人モデルによる審査基準によるものであり、手帳制度が必要なのかも含めて根本的な見直しが必要です。
精神障害者に対する障害の認定基準は基本的に働けるか働けないかの基準があり、障害者雇用促進と矛盾しているともいえ、ほかの手帳についても、障害者雇用促進に向けどういう支援があれば働けるのかという発想に基づいたものとは言えません。こうした手帳を基準として雇用枠を定めること自体が問題です。また働けるとされると精神障害者や知的障害者は障害年金を切られてしまうという問題もあり、この矛盾は現在の制度では解決しません。
3 労働現場の荒廃の結果である精神疾患による長期求職者の存在
現在日本は人口比で先進国最低の公務員数となっており、定員削減の影響とみられる長期の精神疾患による休職者が多数生まれています。その数は国家公務員では2016年で3495名(全長期休職者の65%余)、地方公務員でもこの間全体の長期休職者の半数以上が精神疾患によるものと言われています。(注)
今回の雇用枠改ざんにおいても休職中の精神疾患の患者を障害者手帳が取れるであろうと、カウントしたという報告もなされています。また復職の条件として手帳を取り障害者雇用枠でという半ば強制もあると漏れ聞きます。これでは障害者雇用枠自体がむしろ職場の荒廃、パワハラ、長時間労働等を固定化しかねないことになります。
障害者を作り続ける職場で、障害者も含め誰もが共に働ける環境を保障できるとは考えられません。先進国の比較で極端に女性公務員が少ない理由もここにあると見てもいいでしょう。
またこの定員削減の中で官公庁における非正規雇用が増えており、そのこと自体が大問題ですが、障害者雇用枠も非正規雇用でもよいということ自体が今問われるべきです
障害者雇用促進は職場総体の労働条件を見直すことなしには不可能でしょう。
障害者の就労拡大に向け雇用に限らない幅広い議論が必要です。
今回の改ざん事件を踏まえより幅広い議論が求められています。
自営業も含めて様々な労働形態を障害者に保障していく支援体制、また障害者のアドボケイト活動に対する支援体制など、幅広い議論を、障害者団体を含めた独立した委員会を作り継続して議論していく必要があります。1,2、3に上げた矛盾も含め幅広い根本的議論を進めなければなりません。
(注)人事院年次報告及び地方公務員健康状況等の現況より
(10月1日)
◇2018年8月31日に、役所の障害者雇用率水増し問題に対し、厚生労働省前で抗議行動をおこないました。
◇2018年10月5日におこなわれました厚生労働省・内閣府交渉の議事メモがほしいかたは、メールにてお送りできますので、事務局であるHANDS世田谷までご連絡ください。(10月26日)
お知らせ
☆精神医療国連個人通報センター☆
団体名 精神医療国連個人通報センター
所在地:〒160-0004
東京都新宿区四谷3-2-2 TRビル7階 マザーシップ法律事務所
電話番号 080-1036-3685
FAX 03-5367-3742
mail nrk38816@nifty.com
代表 山本眞理
副代表 池原毅和
https://peraichi.com/landing_pages/view/kozintuhoucent
◇「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会について
この大フォーラム実行委員会は、2013年に発足し、毎年10月末に集会を行ってきました。
2016年10月27日にも、4回目の集会を日比谷野外大音楽堂で行いました.
2011年8月、政府に設置された障害者制度改革推進会議の総合福祉部会が「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(通称『骨格提言』)を発表しました。
これをまとめる審議には、しょうがいしゃ団体の代表も加わりました。
その内容はしょうがいしゃが地域の中で暮らしていくための政策を取りまとめたものです。
この「骨格提言」の成立を推し進めた原動力は、2005年10月31日に成立した障害者自立支援法に対するしょうがいしゃとその関係者の憤りでした。
各地、各団体が運動を展開するとともに、翌年の10月31日以降、毎年10月に日比谷に1万人を超える人々が日比谷に結集して、その意志を示してきました。
2008年には、違憲訴訟も始まりました。
ところが、2012年に「骨格提言」に基づいて作られるはずの法制度は、障害者自立支援法の一部改訂(実質は、ほとんど変わらない)に終わってしまいました。
それとともに、全国の団体による日比谷に結集する集会も開かれなくなってしまいました。
「骨格提言」は、しょうがいしゃが地域で、社会で、暮らしていくために、絶対に実現して行かなければならないものです。
そのためには、しょうがいしゃのより強力なアピールが必要です。
毎年10月日比谷に結集する連帯の灯を消してはなりません。
私たち大フォーラム実行委員会は、こうした思いの人々が集まり結成されました。
「骨格提言」とは?
(ほんのさわりだけですが、、、)
■ 障害者総合福祉法がめざすべき6つのポイント
【1】障害のない市民との平等と公平
【2】谷間や空白の解消
【3】格差の是正
【4】放置できない社会問題の解決
【5】本人のニーズにあった支援サービス
【6】安定した予算の確保
☆法の目的
全ての国民が、障害の有無によって分け隔 てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を 実現するものであること。
☆法の理念
・保護の対象から権利の主体への転換を確認する
・ 医学モデルから社会モデルへの障害概念の転換を確認する
※平成23(2011)年8月30日 障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 の提言より抜粋
■上記の6ポイントを説明しますと、
(1)障害者が、市民として社会参加をし、平等で公平な生活を営むための、総合福祉法であること。
(2)人生のすべての場面において、必要な支援サービスを、すべての障害者に保障すること。
(3)支援サービスについて、地域間格差、障害種別間の格差の是正。
(4)精神障害者の社会的入院や、施設への隔離を解消し、家族介助への依存からの脱却を図り、地域生活を実現すること
(5)本人の意志や希望に基づく支援サービスの提供システムの確立
(6)必要な支援サービスのための財源確保
4月に多くの方にご協力いただいてレコーディングした
ラブ・エロ・ピースの「死んでない 殺すな」の動画が公開されました。 (8月18日更新)
■ピープルファーストジャパンの津久井やまゆり園事件にたいする声明文全文を、次ページ「このサイトについて」に掲載しています。
(2016年の大フォーラムの当日プログラムに、はさみこんでいるものです)
■2018年8月24日開催のCIL国立主催学習会にて、怒りネットの古賀典夫さんがおはなしになりました内容(『社会保障切り捨ての中で進められる「我が事・丸ごと」政策の下で』)を、次ページ「このサイトについて」に掲載しています。
(10月21日)
【しゅぷれひこーる】
こっかくていげんを じつげんしろ!
きほんごういをまもれ!
けんぽうにじゅうごじょうを まもれ!
せいかつほごを きりさげるな!
せいかつほごひを ふやせ!
ひつようなひとに かいじょのほしょうを!
あんしんできる かいじょのしくみを つくろう!
かいじょしゃの せいかつを ほしょうしろ!
かいごほけんじゃ くらせない!
しせつは いえじゃない!
しせつに とじこめるな!
びょういんは いえじゃない!
びょういんに とじこめるな!
しんたいこうそく はんたい!
なんびょうしゃに ねんきん、ふくしを ほしょうしろ!
すべてのこどもは ちいきのがっこうへ!
いのちを きりすてるな!
なかまを ころすな!
つくいやまゆりえんじけんを わすれないぞ!
ゆうせいしそう はんたい!
ちいきで ずーっと くらしていくぞ!
わたしたちぬきに わたしたちのことを きめるな!
わたしたちは にんげんだ!
わたしたちは たたかうぞ!
だいふぉーらむを つづけるぞ!
(2019大フォーラム)
しょうがいしゃの介助制度を、介護保険制度に統合しようとする動きに反対する決議
内閣総理大臣安倍晋三様 厚生労働大臣加藤勝信様
厚生労働省は、社会保障審議会・介護保険部会において、介護保険制度の改定に向け、今年 12 月にも 報告を取りまとめ、法改定の必要な部分については、来年の通常国会に法案を提出しようとしています。 ・介護保険部会は、被保険者・受給者範囲に関する論点として「『介護保険制度の普遍化』を目指すべき か、『高齢者の介護保険』を維持するべきか」、「第1号被保険者と第2号被保険者の対象年齢について、 どう考えるか」など、しょうがいしゃの制度を介護保険制度に統合することにつながる内容をあげてい ます。かつて厚労省は、20歳以上の人を介護保険料の徴収対象として、しょうがいしゃの制度を介護保 険に組み込もうとする方向を打ち出していましたが、その再燃が起ころうとしています。
また、安倍政権は今年9月、「全世代型社会保障検討会議」を立ち上げ、社会保障の「システム自体の 改革」を掲げています。第2次安倍内閣発足後すぐに生活保護費の大幅削減を行い、介護保険の利用料 負担2割、3割の導入をしてきたことを、私たちはけっして忘れるわけにはいきません。
「介護保険制度は、社会参加・社会生活における介助を認めておらず、家族介護を前提として設計され ています。介護保険にしょうがいしゃの制度が統合されれば、介助制度の大幅な改悪となることは明ら
かです。私たちは、強い危機感をもって、この事態に立ち向かわなければならないと考えます。
介護保険統合はまた、2010年に、障害者自立支援法違憲訴訟団と国の間で交わされ、裁判の和解内容 となった「基本合意文書」を、そして「骨格提言」を踏みにじることとなります。批准した障害者権利 条約に基づいた国内法規さえも無視することとなります。
他方、私たちは、介護保険制度そのものをも放置できないと考えます。少ない年金の人からも保険料 は取り立てるが、利用料の払えない人や介護度の低い人には介護を保障しない制度であり、その結果、 2週に1回ともいわれる介護殺人が起こっているなど虐待が後を絶ちません。
私たちは、このような介護保険制度は廃止し、憲法に則り、政府の責任で、年齢にかかわりなく、す べての人に必要な福祉、介助を保障し、地域での暮らしを保障する制度をつくるべきだと考えます。
こうした観点から以下のことを国に要請します。
(1) 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(「骨格提言」)を完全に実現する制度を
構築してください。 (2)9月に採択された障害者の権利に関する委員会の「初回の日本政府報告に関する質問事項」に誠
実に回答してください。 (3) 介護の保障を行うことのできない介護保険制度は廃止し、すべての人が必要な介助を受けて地域
で生活できる制度を構築してください。
2019年10月30日
「骨格提言」の完全実現を求める2019年集会参加者一同
◇2019年10月30日基調報告◆
「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(「骨格提言」)が2011年8月にできてから、 8年以上が過ぎました。厚生労働省は、これを段階的に実現していくと答弁してきましたが、今、どの ような段階にあるのか、「骨格提言」に記された「障害者総合福祉法がめざすべき6つのポイント」から 考えたいと思います。
(1)「障害のない市民との平等と公平」はどうか 生活保護費の削減もあり、しょうがいしゃの所得はむしろ引き下げられ、その生活は、ますます苦し いものとなっています。
そんな中で昨年、公的機関によるしょうがいしゃ雇用率の水増し問題が発覚しました。政府や自治体 にかかわる機関そのものが、ともにしょうがいしゃと働くことを拒んできた実態が明らかとなったので す。その後に、しょうがいしゃ採用がおこなわれ、中央省庁では、18年10月から19年6月までに計 3444 人を採用しました。しかし、職場環境になじめなかったり、体調が悪化したりするなどの理由で、 すでに161 人が離職したと報じられています。雇用率は、19年6月段階で2.31%にとどまり、法定雇
用率を満たせていません。
(2)「谷間や空白の解消」はどうか 障害者総合支援法の対象となる難病は、少しずつ拡大され、現在361 となっていますが、5000 ある ともいわれる難病のほんの一部にすぎません。私たちは、障害支援区分認定に当てはまるにもかかわら ず福地の給付から難病者を排除する厚労省と闘ってきましたが、理由にもならないことを並べて応じよ うとしないその姿勢には、怒りを禁じえません。
そればかりか、障害基礎年金を受けてきた難病の方々の年金を打ち切るという、とんでもないことが おこなわれました。2016年に年金を打ち切られた1型糖尿病の大阪の方々は、不当な打ち切りに対して たちあがり、裁判を起こしました。行政手続法上、違法性があると認められ、今年4月11日に勝利判 決を勝ち取りましたが、国は判決の趣旨を無視し逆手にとって形だけの理由を提示して、この方々への 年金支給を拒否しました。その後、原告は再提訴し新たな裁判闘争が展開されています。他方、東京で も、昨年から1型糖尿病患者の西田えみ子さんが、年金を支給しようとしない国を相手取って裁判で争 っています。こうした闘いの結果、その後の年金打ち切りを阻止する力関係をつくり出してきています。
参議院議員の総後さん、木村さんの当選は、議員活動に重度訪問介護を使うことができないという介 助制度の空白問題を表面化させました。このことは、就労や就学などにかかわる移動や現場での介助(同 行援護、行動援護、移動支援などを含む)を、法律ではなく、厚労省の告示だけで制限してきた問題も、 改めて社会に提起しました。他方、介助者不足が深刻となり、生活全般を含めた介助の危機が進行して います。船後議員、木村議員は、多くのしょうがいしゃ団体や国会議員に呼びかけて、この状況を打破 しようと取り組んでいます。
(3)「格差の是正」はどうか
自治体間の格差是正について、国は積極的に解消する措置をとってきていません。そのため、同一都
道府県内においても、受けられる福祉に差のある状態が続いています。これを打ち破るための運動が各 地でおこなわれています。
しょうがいしゃ間で受けられる福祉の状況に差があることも、国や自治体自身は解消をはかるろうと していません。この格差を解消するためのたたかいも各地で展開されていますが、東京では、しょうが い当事者とせいしんしょうがいしゃ家族の団体が一緒になり、新たに、精神保健福祉手帳1級の方だけ ではありますが、重度心身障害者医療費助成制度を適用させることができました。
(4) 「放置できない社会問題の解決」はどうか
「放置できない社会問題」とは、精神科病院への長期入院、入所施設における長期入所、家族依存と いった問題をさしています。精神科病院の状況では、2017年に、20年以上の入院者が2万5932人お り、この中には毎日新聞の調査で判明した50年以上の入院者1773人が含まれます。こうした状況の改 善は、ほとんど進んでいません。また、隔離・身体拘束も未だ増え続け、身体拘束による死亡をめぐる 訴訟もおきています。
入所施設にも多くの仲間が収容されていますが、とりわけ、ちてきしょうがいしゃは、日本のちてき しょうがいしゃ総数の 11.1%が施設収容の状態にあります。住んでいる地域とからはるかに離れた施設 に送り込まれることも、依然として続いています。津久井やまゆり園の再建にあたって、隔離収容が批 判されましたが、グループホームなどに移った人はいまだに3人にすぎません。
大阪府寝屋川市における監禁致死事件、兵庫県三田市の監禁事件などは、家族依存の在り方がこのよ うな監禁を生み出していることをあらわにしました。
(5)「本人のニーズにあった支援サービス」についてはどうか
先に制度の谷間や空白、格差の問題でも指摘しましたが、ニーズが満たされる状況にはなく、65歳以 下のしょうがいしゃを介護保険制度に誘導する自治体も多くあります。
(6) 「安定した予算の確保」についてはどうか 財務省は、障害区分認定が重く出る傾向を問題視し、家事援助の廃止など、しょうがいしゃ関係予算 の削減を要請してきており、とても安定した予算が確保されている状況ではありません。
こうした状況を踏まえるとき、しょうがいしゃ運動の全国的な強化なしには、「骨格提言」を実現する
ことができないことは明らかです。しょうがいしゃ福祉制度を介護保険に統合しようとする動きが顕在 化し、いのちを選別する優生政策が強められようとする中、運動の強化が待ったなしに求められていま す。それなしでは、これまで積み上げてきたことさえも水泡に帰してしまうかもしれません。今こそ、 連帯を広げ、行動を拡大していきましょう。
★介護保険統合の動きとどう闘うか
大フォーラム実行委員会に結集する仲間は、65歳になったら介護保険を優先適用しようとする行政と 粘り強く交渉を続けてきました。しょうがいしゃの制度を利用し続けたいという仲間を支援し、各地で 交渉を行い、65歳を過ぎてもしょうがいしゃの制度を使い続ける実例をいくつもつくり出してきました。 昨年 12 月の浅田訴訟の地裁に続く岡山高裁の勝利は、こうした私たちの運動を、大いに勇気づけて
くれました。千葉でたたかわれている天海さんの訴訟にも連帯し、勝利を勝ち取りましょう。
他方、障害者総合支援法は、2016年の改定に続く 2017年の「地域包括ケアシステムの強化のための 介護保険法等の一部を改正する法律」による改定を受けて、介護保険制度との連携を深めるものとされ てきました。こうした動きを受けて、「骨格提言」を生み出した障害者制度改革推進会議の総合福祉部会 の副部会長を務めた茨木尚子さんをはじめ、何人もの学者が介護保険統合への警告を発しています。、 たちは今年2月10日に茨木さんの講演会を開催し、たたかう決意を新たにしました。
こうした指摘通り、厚労省の社会保障審議会・介護保険部会では、介護保険統合につながる議論がお こなわれています。その資料を見ると、40歳~64歳までの第2号被保険者の数を増やさないと介護保 険制度の財政を支えられないという論理で、第2号被保険者の範囲を30歳以上などに拡大する検討が おこなわれているのです。その筋書き・論理の中で、しょうがいしゃを介護保険制度の対象とする議論 が紹介され、参考として「骨格提言」とそのもととなった「障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と 国(厚生労働省)との基本合意文書」も記載されていますが、厚労省の意図は、「骨格提言」や「基本合 意文書」を尊重するのではなく、いかに踏みにじるかを検討していると考えるべきではないでしょうか。
財務省は、介護保険制度について、利用者負担を原則2割にすること、ケアプランの有料化、要介護 1・2の人を給付対象から外し、訪問介護や通所介護を要支援同様に地域支援事業に移すことなど、利 用者負担の増大と介護保障の形骸化を厚労省に求めています。 「介護保険部会は12月にも報告書をまとめ、法改正の必要な部分は来年の通常国会に法案として提出 することを予定しています。また、6月に発表された安倍内閣の「経済財政運営と改革の基本方針 2019」 (「骨太の方針 2019」)では、「骨太方針 2020 において、給付と負担の在り方を含め社会保障の総合的 かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめる」と記載しており、ここに向けて、「全世代型社会保障検 討会議」を立ち上げて検討に入っています。第二次安倍内閣は、その成立直後に生活保護費の大幅引き 下げをおこない、介護保険の利用者負担に2割、3割負担を導入しました。毎年発表される「骨太の方 針」では、防衛力の大幅増強をうたうと一方で、社会保障予算については「歳出改革(社会保障費削減) の加速・拡大」をうたってきたのです。私たちは、重大な局面を迎えています。
●私たちは、いかなる方向を進むのか
しょうがいしゃの制度が介護保険に統合された場合、介助時間の大幅削減など多くの不利益が生じる ことは、しょうがいしゃの多くが認識しています。では、高齢者福祉の状況、介護保険制度の在り方そ のものを問わなくていいのでしょうか、こうした議論を私たちは2017年法改定をめぐっておこなっ てきました。そして、この法改定に反対するとともに、高齢者の福祉も「骨格提言」の内容にそって変 革すべきであることを確認しました。
厚労省の「介護保険事業状況報告の概要(平成31年1月暫定版)」によれば、要介護(要支援)認定 者数は656.0万人で、このうち、何らかの介護を受けている人を合計すると560.5万人です。認定を受
1.95.5万人の人が介護保険の給付を受けていないのです。つまり、介護保険は 介護を保障する制度になっていないのです。国民年金の受取金額の平均は5万5千円ですから、そこか ら保険料は取られるが、利用料を払う余裕がなく、介護保険のサービスを受けることができない人たち が存在するのでしょう。そういう人たちにとっては、やらずぼったくりの制度なのです。こうした状況 の下で、介護殺人が2週間に1度の割合で起こっているのです。
しょうがいしゃの法制度では、理念として、社会参加を促進し、社会生活を支える制度であることが
うたわれています。介護保険には、そのような趣旨はありません。したがって、しょうがいしゃの制度 にある移動のための支援は、通院などを除けば位置付けられておらず、家事援助などの範囲も狭められ
2017年の介護保険法の改悪では、医療・リハビリテーションのアプローチを使って、要介護度を下げ たり介護時間を減らしたりすることが、報酬上も評価される制度となりました。医療モデルの強化です。 高齢者に無理を強いたり、リハビリの効果が出ない人たちがじゃまもの扱いされるようなことがあって はなりません。
私たち市民にとって必要なのは、誰でも、年齢に関係なく、必要な介助を受け、地域で暮らせる制度 です。障害者権利条約も「骨格提言」もこれを目指しています。そのためには、介護保険制度は廃止す るしかないと考えます。
障害者自立支援法違憲訴訟団は、裁判での国との和解内容である「基本合意文書」において「新たな 福祉制度の構築に当たっては、現行の介護保険制度との統合を前提とはせず」と国に約束させました。
来年 2020 年1月7日におこなわれる自立支援法違憲訴訟団主催の「基本合意10年 全国集会」に 連帯して結集しましょう。
★いのちの選別との闘い
●旧優生保護法被害者の叫びと行動が切り開いたもの
昨年1月に佐藤由美さんが、そして、5月には飯塚淳子さんが、損害賠償を求めて提訴したことに始 まり、全国に広がった旧優生保護法被害者の闘いは、重要な歴史的前進を勝ち取りました。
19年4月24日、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法
しかし、反省とお詫びの主体が「我々」と抽象的であり、違点かどうかにも触れ
ず、優生保護法に基づく中絶を受けた人は、この法律の対象となっていません。一時金の額は320万円 で、事故による生殖機能の損害賠償と比較してもあまりにも低い金額です。そして、この一時金の申請 にあたっても、被害者が多くのハードルに苦しんでいる実態があります。それでも、国会と内閣総理大 臣が「お詫びと反省」を表明したことには大きな前進があります。
そして、5月28日に、佐藤さんと飯塚さんに対する仙台地裁の判決がありました。旧優生保護法を 違憲としながらも、訴えを棄却したのです。強制不妊手術を受けた時から時間がたって、損害賠償請求 権は20年で消滅すると規定する民法の「除斥期間」を過ぎてしまったことを理由にしています。強大 な権力を持つ国に対しては、「除斥期間」を認めること自体がまちがっています。佐藤さんと飯塚さんは 控訴し、来年1月から仙台高裁での弁論が始まります。また、東京の北三郎さんをはじめ、全国でのた たかいが続いています。
津久井やまゆり園事件以後、優生思想という言葉が大きく取り上げられ、社会的に議論となってきま した。こういう中で、優生政策が違憲であり不正義であることを、日本の歴史に刻印した旧被害者のみ
なさんの勇気と行動力は、重要な段階を切り開いたと言えるでしょう。こうした闘いに私たちも連帯し、 真の責任を追及していきましょう。
●出生前・着床前診断の拡大の動き
日本産科婦人科学会(日産婦)は、今年2019年3月2日に、新型出生前診断(NIPT)をおこなうこ とのできる医療機関を、カウンセリング体制などを持たない開業医にまで広げる方針を打ち出し、これ に対して、しょうがいしゃぐ女性団体からの批判はもちろん、日本人類遺伝学会、日本小児科学会、日 本遺伝看護学会からも批判がまきおこりました。背景には、無認可で NIPT を行う医療機関が増加し、 その多くは産科婦人科ではない医療機関がおこなっているという実態があります。社会的に優生思想が
あおられている実態の反映です。
こうしたなかで厚労省は、7月29日に、日産婦の施設拡大方針に待ったをかけ、実態調査を厚労省 としておこなう方針を明らかにしました。10月21日には、「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT) の調査等に関するワーキンググループ」の審議が始まっています。この調査を通して、国が正式にNIPT を認可、あるいは推進することとなれば、優生思想をさらにあおりたてることは確実です。このことを 警戒しなければなりません。
イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国の中では、政府の政策として出生前診断がおこなわれている 国々があり、社会保障費の抑制政策として使われている側面があるといいます。欧米で、日本以上に「無 益な治療」論、「尊厳死・安楽死」の推進が進められている背景には、こうした影響があるのではないで
しょうか。
他方、日産婦は、着床前診断の対象拡大を進めています。「網膜芽細胞腫」など、治療すればいのちに 影響しない病気までを、その研究対象にしています。
また、政府は、がんと難病の医療のためとして、全ゲノム解析を進めていくことを「骨太の方針 2019」 で打ち出しました。着床前診断と全ゲノム解析、そしてゲノム編集などが推進されれば、新たな優生政 策が展開される危険性をもちます。
●進むいのちの切り捨てに抗して
昨年2018年8月16日、東京都の公立福生病院で、透析を中止された女性(Aさん)が亡くなりまし た。病院側の提示した透析中止の選択に同意してしまい、その後に、尿毒症の苦しみの中から透析再開 を訴え、お連れ合いも透析の再開を要請したにもかかわらず、病院はこれを無視したのです。最後には、 大量の鎮静剤が投与され、亡くなったのでした。
報じられている公立福生病院の医師たちの発想には、露骨な優生思想があります。腎不全の人を「終 末期」状態として、透析を「無益でかたよった延命措置」と言います。「尊厳死」を推奨し、胃ろうや人 工呼吸器を使って生きることを否定するような発言。「正気な時の意思」とそうでないときの意思を区別 し、前者を優先する発言をおこなっていますが、これは、認知症の人、精神障害者や知的障害者を差別 する発想です。こうした発想のもとで、4人の透析中止、20人の透析非導入がおこなわれてきたのです。
厚労省のガイドラインさえ無視するこの病院の対応について、日本透析医学会はこれを問題なしとし、 むしろ透析中止の選択を積極的に提示するために学会のガイドラインを改悪しようとしているのです。
こうした動きに対して、Aさんのご家族が10月17日に民事裁判を提訴しました。いのちの切り捨て
を許さない力強い取り組みとして応援していきましょう。
この事件の背景として、政府の、医療を打ち切って死なせる「消極的安楽死」の推進があります。厚 生労働省は2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を発表し、「消極的安楽死」 のための基準を初めて公表しました。その後、2回の改定を経て「人生の最終段階における医療の決定 プロセスに関するガイドライン」と名前が変わっています。
法的には、2012年の「社会保障制度改革推進法」、2013年の「社会保障改革プログラム法」で、「消 極的安楽死」の推進を記載しました。そして、昨年の「経済財政運営と改革の基本方針 2018」や同 2019 の中でも、政府を挙げてこれを推進することを記載しています。これら政府全体の方針の特徴は、社会 保障の改悪を推進する方針とともに、「消極的安楽死」を推進していることです。
政府は 2018年の診療報酬の改定において、30日以内に緩和ケア病棟の患者が追い出されるしくみを つくりました。「さっさと死ね」という本音を露骨にあらわしています。
私たちは、あらゆる人たちが、隔離されたり、切り捨てられたりすることなく、生きられる社会にし たいと思います。たとえ、「死にたい」と言う人がいたとしても、その人に「あなたと一緒に生きていき たい」と声をかけられる社会でなければなりません。人はいつか死ぬものですが、死に瀕した人たちの いのちにも希望を託し、共に過ごすことのできる社会でなければなりません。
公立福生病院事件をはじめ、いのちを切り捨てるさまざまな動きは決して容認できません。政府の社 会保障やいのちを切り捨てる方針に対しては、断固としてたたかいます。
★ともに生きるための社会変革を
いま、日本の社会の中では、100万人を超える人々が「引きこもり」の状態にあり、しょうがいしゃ だけでなく、高齢者、児童、女性などさまざまな人々に対して虐待がおこなわれています。在日外国人 をはじめ差別されてきた人々に、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムが向けられる深刻な社会情勢です。 こうしたなかで、津久井やまゆり園事件という許しがたい大きな事件もおきています。
特別支援学校における、ちてきしょうがいしゃの在籍数は増え続け、選別・隔離がますます進められ ています。また、外国出身の児童も特別支援学校に就学させられていることが報じられています。「じゃ まものを排除する」という姿勢が強められているのでしょうか。
人を排除せず、ともに暮らせる地域社会をつくること、一人ひとりの苦しみに向き合いその解決をは かること、しょうがいしゃ運動のつちかってきたこの思想は、この社会を変える大きな力をもっている と信じます。
安倍内閣は、改憲を推進しています。とんでもない! 幸福追求権、平等権、生存権、社会保障・福祉が増進され、憲法が具体的に実現される社会に、この 社会を変えなければならないと考えます。
こうした観点からさまざまな立場の人と連帯し、希望のある未来を、私たち自身の力でつくり出して 行きましょう。
10.30 大フォーラム2019集会
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム
ことしもやります!大フォーラム!
【賛同を!】個人1口\500円 団体1口\3,000円
郵便振替口座 00110…0-292158
加入者名「大フォーラム実行委員会」
※ 賛同金の振込みと同時に、下記申込書に記入しFAXまたは同内容をEメールでお送りください。
FAX 03-5450-2862 /
Eメール hands@sh.rim.or.Jp
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム 賛同申込書
・個人賛同(お名前、肩書きや地域)
または
・団体賛同(団体名)
・お電話
・Eメール
・賛同費 ( )口
お名前の公表 (ど ちらかに○を)
可 ・不可
◇「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会◇
事務局:〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺1-32-21スマイルホーム豪徳寺1F自立センターHANDS世田谷
tel/03-5450-2861/FAX 03-5450-2862 /
Eメール hands@sh.rim.or.Jp
毎月一回、都内で会議をひらいています。
どなたでも参加できます。
★★★「骨格提言」の完全実現を求める10・30大フォーラム2019実行委員会★★★
(2019年 9月現在/順不同)
〈呼びかけ団体〉
日本脳性マヒ者協会 全国青い芝の会/
全国公的介護保障要求者組合/
ピープルファーストジャパン/
精神障害者権利主張センター 絆/
障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)/
神経筋疾患ネットワーク/
怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク/
全国ピアサポートネットワーク/
兵庫県精神障害者連絡会/
神奈川県障害者自立生活支援センター/
自立生活センター・グッドライフ/
こら一るたいとう/
スタジオIL文京/
自立生活センター日立川/
CILくにたち援助為センター/
町田ヒューマンネットワーク/
自立生活センター・たいとう/
あいえるの会/
自立生活センター三田/
自立生活センター北/
ガチャバンともに生きる会/
鈴木敬治さんと共に移動の自由をとりもどす会/
自立生活センター福岡/
特定非営利活動法人むく魔法陣/
世田谷介助者ユニオン/
基準該当事業所「新しい空」/
脳性マヒ者の会一歩の会/
自立生活センター HANDS世田谷
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